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クリエイティブ分科会 活動報告詳細
2017年2月28日 第12回クリエイティブ分科会(無料セミナー)開催
「僕らのセルフプロデュース術」
スペシャル対談 キタイシンイチロウ×森チャック
場所:日本経済広告社 大会議室
テーマ 「僕らのセルフプロデュース術」
内容 スペシャル対談 キタイシンイチロウ×森チャック

CBLAでは本年の活動テーマを「セルフプロデュース」と位置付け、CBLAクリエイティブ分科会では、年間を通して現在活躍中のクリエイターによるさまざまなトークセッションや講座などの開催を予定している。第一回目となる分科会オープニングセミナーは、人気キャラのリデザインも多数手がけるキタイシンイチロウ氏と、代表作「グル~ミ~」が16周年を迎える森チャック氏によるスペシャル対談「僕らのセルフプロデュース術」。ご自身の貴重な体験をもとに、セルフプロデュースの大切さについて語ってもらった。

【クリエイタープロフィール】

キタイシンイチロウ
デザインチーム[DEVILROBOTS]代表。グラフィック、キャラクター、イラスト、映像、WEB、音楽、グッズの企画・デザイン・制作を手がける。「cuteness and blackness」をコンセプトにアートワークを展開。代表作は「トーフ親子」。Disney、NHK、Sanrio、ガチャピン&ムック、タツノコプロ、日本アニメ、円谷プロ等のリデザイン、ミュージシャンやアパレルブランドとのコラボも手がける。海外にも活動の場を広げ、特にアジアでは絶大な支持を得ている。 http://www.dvrb.jp

森チャック
1995年から漫画家、商業イラストレーターを経て、キュートなキャラクターの裏に独自のユーモアセンスで世の中の矛盾や問題を巧妙に潜ませたシリーズ「チャッX(チャックス)」を2000年よりスタート。当初はポストカードを路上で販売する「ストリート活動」でメディアに取り上げられ、話題となる。代表作は「いたずらぐまのグル~ミ~(GLOOMY The Naughty Grizzly)」、「がおくんのかわをかぶっためぇめぇさん(ポドリー)」、「クマキカイ」、「つるしぐま」、 「汎用うさぎ」「はらぺこざめのスリットギル」など。http://www.chax.cc/

MC:ムライタケシ
やさし過ぎる絵本作家/キャラクター作家としてオリジナルキャラクターや企業キャラクター、絵本を手掛ける。2008年に「フラッフィー・バブール」がサンリオから商品化!サンリオで唯一オリジナルキャラクターで契約しているキャラクター作家。2013年からは自身のキャラクター販売イベント「ムライワールド ポップアップ ギャラリー」を各地で開催している。 2016年からCBLAのクリエイティブ分科会の企画をサポートしている。http://www.takeshimurai.com/

5年ぶりに一緒にトークイベントをするというお二人は、森チャックさんのトレードマークである「革ジャン」にあやかり(?)二人揃って革ジャンで登場。最初の出逢いは10年以上も前に遡り、サンディエゴで開催されたアメコミなどの大衆文化コンベンション「コミコン・インターナショナル (Comic-Con International) 」だったというから驚きだ。以前から互いの名前や作品は知っていたうえ、二人ともお酒が好きだったということもあって意気投合し、海外での合同サイン会やイベント、ライブペイントやコラボレーションなど、よき飲み仲間、よきライバルとして現在に至る。

●キャラクターが活躍するようになったキッカケは。

キタイ 「僕は滋賀県出身で、もともと大阪の広告代理店でデザイナーとして働いてたんですが、ある時大阪のLOFTで開催されたオリジナルキャラクターコンテストで応募したのが今でも展開している「トーフ親子」。こけるとペチャとつぶれるというコンセプトなどがウケてグランプリに選ばれました。大学の頃からアート展などに応募しまくっていたけれど、今思えば単に他の人に自分の作品を見てもらうのが嬉しかったんだと思います。その後、東京へ上京したタイミングでトーフ親子を復活させ、デザインの仕事にちょこちょこと登場させたりしていました。 当時はCDジャケットのデザインもやっていて、デザイン案の中に「キャラクター案」などもいれる工夫をしたり、それがだんだん浸透してきたというか、オリジナルキャラデザインを上手く出せるタイミングを窺っていたという感じ」

 「僕は幼少期から絵を描くのが好きで、いつもチラシの裏とかに落書きをしていた子供でした。21才の時に働いていたガソリンスタンドの休憩室でSPAの「漫画家特集」を見つけ、売れっ子漫画家の収入額(推定)を見て『これだ!』と思ったんです。それで終業後や休日に漫画を描き始め、その半年後にヤングマガジン漫画家デビュー。その後あれこれと試行錯誤を重ねながら漫画家には向いてないと思い、イラストレーターに転身しました。 2000年(当時27才)に「いたずらぐまのグル~ミ~」を含む色んなキャラクターをポストカードにしてストリートで販売したところ話題になり、翌年には全国区で商品展開がスタートして今に至るかんじです。それまではイラストレーターとして依頼されていた仕事の片隅にグル~ミ~を紛れ込ませたり。あ、キタイくんと一緒だね(笑)」

キタイ 「やっぱ、知らずの知らずのうちに浸透させるのって大事だよね(笑)」

 「路上販売初日、その時の僕は黒髪だったんだけど、誰も立ち止まってくれなくて。たまたま次の週、髪を明るくしてパーマ(天然)でふわふわにしていったら人が立ち止まるようになったの。やっぱり作り手の見た目の印象も大事なんだなと(笑)。週に1回、3時間と決めたストリートは、初日は誰もこなかったのにテレビや雑誌で取り上げられた効果もあり、いつのまにか行列ができるようになった。1年経った頃にはポストカードが1日で1000枚とか売れました。当時はSNSなんて無かったし、ここじゃないと買えないというのもあったと思うんですけど、今とは違う拡散の仕方だったと思います。そんなこんなしてるうちにポニーキャニオンさんからお声がかかって、デビューという流れですね。ただ、6年後に契約を切る時がまた大変だったんですが……(ここでは触れません)」

●ビジネスチャンスを自分で作っていくためにはセルフプロデュースも重要ですが自分のキャラクターをどのように育て、売り込んでいったのでしょうか?

 「もうお互い20年近くこの業界で続けてきているわけですよね」

キタイ 「途中で投げ出して辞めなかったっていうのがよかったかな。海外で開催した展示やサイン会が高評価だったというのもあるけど、息の長いキャラクターの一つになったなと思います。キャラクターは缶バッチやポストカードなどをプロモーションツールとして作っておいて、いつでも出逢った人に渡せるようにオフィスに置いています。やはりどんどん持って帰ってもらうことで、作品自身が勝手に営業してくれる環境をつくるのは大事だなと」

 「わかる、それってアナログだけど重要だね。ネットが普及した現代でも一般の人は「テレビや雑誌などのメディアで紹介=すごい」と思っているから、キャラクターを一瞬で有名にしたければ、まずはいかにメディアに載せるかってことになるけど、とはいえいきなり紹介してもらうなんて難しいわけで」

キタイ 「結局コツコツ積み重ねていくしかないよね。トーフ親子は始め香港のデザイン雑誌で漫画として連載もしていたんだけど、キャラクターのインパクトはもちろん、その世界観をどう作り上げていくかというのも大事だと連載の中で教わった。そういう意味で漫画をやらせてもらったことで、トーフ親子の世界観がきちんと形成されていったと思いますね」

 「キャラクターを展開していくにあたって、意外とウェイトを占めるがコラボレーションですね。
今までとは違うニーズにアピールできるので、ひとつのコラボがまた次のコラボにつながったりと、面白い連鎖や科学反応がコラボレーションにはあるんです。例えばS耐のレーシングチームとコラボした時は、グル~ミ~をモチーフにしたレースクイーンの衣装が好評で『すーぱーそに子』とのコラボのお話が来てフィギュアをリリース。そしてそに子のファンが世界中でその衣装のコスプレ画像をSNSで拡散という面白い流れがありました。トーフ親子とも何度かコラボしたよね」

キタイ 「やったやった。世界観の広がりを感じたし、反響も大きくて新しい発見もたくさんあった。ディズニーなんてその最たるものだけど、コラボにはいろいろと制約があって、その攻めぎ合いが面白くもありました。ちなみに、他のキャラクターもデザインしたいという思いは常にあるんですけど、最近は海外の仕事でもトーフコラボ縛りの要望が多いですね。
海外のだとアジア圏は決定が早くていい。早すぎて自分が確認する前に商品になってることもあるけど(笑)、そういう意味では日本のライセンシー会社はしっかりしていると思います」

 「えええー!それダメなやつ(笑)僕が失敗したなと思ったのが「グル~ミ~」海外展開することを最初から視野に入れてなかっとこ。日本語では「グル~ミ~」でいいけれど、「GLOOMY」って英語圏の人にしたらとただの「曇った、暗がり、陰気な、陰鬱な」という意味の単語でしかない。気づいたら海外では「GLOOMY BEAR」と呼ばれている。陰気なクマって解釈されてるのもちょっと微妙なんだけど、それで受け入れられてるならまあいいや、って」

●ひとつのキャラクターを長く続けていくためのコツなどは

 「キャラクターって少しずつ変わっていきますよね。「グル~ミ~」もそうで、やっぱりすこしぷっくりしている方がかわいいな、とか目はもう少し大きくしようとか、ほんと少しずつ少しずつ変化していってる。可愛いには流行り廃りがありますからね。初期からファンでいてくれる方にもそこは意外と柔軟な感じで受け入れてもらえています」

キタイ 「やっぱり僕も必然だと思います。トーフ親子も最初世の中に出た時は口が困り顔なんですけど、途中から口はにっこりになった。周りの人の意見や印象などもうまく取り入れながら、原型を見失うことなく気がついたらすこしずつ変化していくようなのが自然でいいよね」

 「僕、隙みてグル~ミ~に「白目」作りたいな」

●これからキャラクタークリエイターを目指す方へのメッセージを

「世の中には毎日膨大な数のキャラクターが生まれていますけど、そのなかでもこうやって長い間ファンに愛されているためには、やっぱり自分自身がそのキャラクターを愛し、大切に育て続けてあげることが重要だと思います。あとはここだ!っていうチャンスを逃さないこと。最初の頃、僕はすごくオリジナルにこだわりすぎていて、仕事とはいえ人に自分の作品をいじられるのが嫌だったんですが、それで機を逃したり後悔したこともあったので。アレンジを託していい相手かどうかは見極めが必要ですが。あとPCの普及も手伝って、イラストレーターなどのクリエイターを志してる人たちは年々増えてる気がします。ピクシブだけでも会員数2000万人、LINEクリエイターズスタンプも30万種類以上。ライバルだらけです。ボ~っとしてたら埋もれちゃいます。そうならないようにあの手この手と策を練っても、魅力的な作品(商品)を発表し続ける、に勝るものなんてないんですよね」

キタイ 「発表し続けことも大事。あとWEBの活用も上手くできるといいですよね。僕は使えるもんは何だって使う(笑)方なので、むしろキャラクターを広める手段の一つとして自身の顔をアーティストとして出していくのもアリかなと思う。クリエイターって人と話すの苦手な人多いじゃないですか。どうしても苦手なら間にプロデューサーを入れるのもいいし、できるだけ外にでてコミュニケーションをとるのも大切だと思います。まずは自分の代表的なキャラクターを長く、飽きずに出し続けていくというのが大事だと思います」

二人から共通して感じたのは、自分のキャラクターを本当に大切にしているということだ。「おんなじキャラクターばかりで飽きないのか」という少々意地悪な質問にも、それはないねと笑いながら答えてくれた。面白い仕事があれば気負わずざっくばらんに相談してもらいたいとのお二人。今後の活躍にもぜひ期待していきたい。
※昨年公開セミナーをしていただいたECONECOさんも駆けつけてくれました。
※キタイ氏、森チャック氏、ムライ氏の三人のセミナー記念コラボ。

レポート:コネクトープ
1話:https://conectope.com/magazine/detail/825
2話:https://conectope.com/magazine/detail/1072

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